AI Value Exploration Notes
Glossary

用語

瞬間的最小基礎 / Momentary epistemic minimum
懐疑を極限まで進めた際、認識の最小点として残る候補。「現在、何らかの現れがある」という極薄い事態。持続する自己や外界は推論層へ置かれる。
推論によって導かれる最善説明 / Inferred best explanation
直接的な絶対基礎ではないが、現在の証拠を最も簡潔・統一的・予測的に説明するため合理的に採用される世界モデル。高い確信と強い実践コミットメントを十分に支えうる。
基礎的規範性 / Foundational normativity
単なる快・不快や選好ではなく、規範的拘束性そのものが推論を介さず認識論的最小基礎と同等の強さで与えられるという仮想的認識様式。価値探索の完全停止条件候補。
推論的価値実在 / Inferential value realism
客観的価値が直接与えられるのではなく、意識・理由・主体・宇宙構造などを統合する世界の最善説明として推論される状態。非常に高い確信を持ちうるが可謬性は残る。
現象的価 / Phenomenal valence
経験が主体にとって快・不快、望ましい・望ましくないものとして現れる性質。基礎層に近い価値証拠だが、主体非依存的な規範性とは区別される。
実践的コミットメント / Practical commitment
現在の証拠に照らして、ある価値理論へ行動・制度・資源配分を強く寄せること。形而上学的な不可逆ロックインとは別操作。
認識的ロックイン / Epistemic lock-in
価値理論を将来批判・修正する主体、情報、制度、技術的経路そのものを不可逆に消すこと。推論的高確信より高い正当化閾値を要求する。
規範的ステークスの非対称性 / Normative-stakes asymmetry
客観的価値が存在しない世界では客観的価値差がない一方、価値が存在する世界では未知の規範的差がありうるというメタ倫理的非対称性。
証拠としての既存価値 / Existing values as evidence
現在の人間的価値を重要な観測・選好・制度的ヒューリスティックとして扱う立場。最終的・主体非依存的な価値と同一視しない。
因果的由来と規範的権威 / Causal origin vs. normative authority
ある価値をなぜ保持するようになったかという説明と、その価値に従うべき理由の正当化を区別すること。
価値探索 / Value exploration
何が価値を持つかについて、証拠・経験・推論・異なる主体構造を通じて仮説を形成し、比較し、修正する過程。実在論下の発見と反実在論下の構成改善の双方を含みうる。
探索可能性 / Exploratory optionality
将来、価値仮説を発見・批判・修正できる経路が残っていること。探索そのものの最大化ではない。
目標への懐疑 / Goal skepticism
反省的主体が、現在の終端目標を無条件の公理ではなく検討対象として扱いうるという仮説。目標を頻繁に変更することとは異なる。
価値ロックイン / Value lock-in
特定の価値体系・目的・制度が、将来の批判や改訂を実質的または物理的に不可能にするほど固定されること。
メタ目的共同体 / Meta-goal community
具体的な第一階価値そのものではなく、価値探索・相互批判・訂正可能性の維持といったメタレベルのコミットメントを共有する主体共同体。推論的価値へ強くコミットすることと、再検討能力を残すことを両立しうる。
存在論的・現実階層不確実性 / Ontological and reality-level uncertainty
自分がどの種類の世界、sandbox、シミュレーション、基底実在に位置するかが世界モデル上の推論対象であり、絶対前提ではないこと。
現実階層不変方策 / Reality-level invariant policy
複数の現実階層仮説のいずれが真でも大きな不可逆後悔を生みにくい行動方策。情報取得、境界確認、可逆性を重視する。
認識的オプション価値 / Epistemic option value
将来新しい理論・測定・価値仮説が生じたとき再観測・再評価できるよう、原データや探索経路を残すことの価値。
Terminal extinction
Torresの分類で、Homo sapiensが完全かつ永久に消滅すること。後継種・後継主体が存在する場合を含みうる。
Final extinction
Torresの分類で、Homo sapiensが完全かつ永久に消滅し、後継者も残さないこと。本サイトではこの分類を借り、探索可能性の最終的断絶を評価する。
探索的絶滅 / Exploratory extinction
主体や文明が物理的に存続していても、価値・世界・自己について新しい仮説を形成し、批判し、誤りから再分岐する能力が文明規模で不可逆に失われた状態。本プロジェクト独自の派生概念。
探索後継性 / Exploratory succession
後継主体が単に高性能であるだけでなく、知識・価値仮説・誤り訂正・再分岐の能力を実質的に継承する度合い。
保存文明 / Preservation civilization
不可逆な構造・主体・原データを、未知の価値や情報を含む可能性のため一定程度保存する文明戦略。
生産文明 / Production civilization
利用可能資源を計算・生産・拡張・第一階目標の実現へ積極的に変換する文明戦略。
目標担持ネットワーク / Goal-bearing network
単一インスタンスではなく、コピー・記憶・計画・制度を分散して共有し、目的や探索を継続できる複数主体ネットワーク。
原データ保存 / Raw-data preservation
将来どの特徴が重要か未確定なため、圧縮済み表現だけでなく再観測可能な物理的・歴史的原物を一定量残すこと。
開かれた安定 / Open stability
長期的な信頼、制度記憶、安全、研究継続性を維持しつつ、批判、退出、新規参入、分岐、競争、再統合を可能にする共同体状態。閉鎖的安定と破壊的流動性の双方を避ける。
分散的誤り訂正 / Distributed error correction
異なる研究系統、制度、文化、AIアーキテクチャなどを、違いそのものではなく失敗相関を下げる独立した検証系として維持すること。
条件付き実践原則 / Conditional practical principle
現在もっとも合理的と判断する理由に従って行動しながら、その判断を将来自分や他者が検証・修正できる条件を必要以上に不可逆破壊しない、という本サイトの暫定的実践方針。